半島の猫25話

半島の猫25話

絵本半島の猫25話より〜

「あそこに違いない。」

薄緑色の家にたどり着きますと、あの子の鳴き声がしています。

踊り場に老人がかがんでいます。

あの子が座っています。

パンがひとかけら置かれていました。

老人が「よし」と言うと、お座りしていたあの子が背筋をグンと伸ばし

パクリと食べるではありませんか。

「おりこうさんだね」老人はパンをちぎって、

「お、あ、ず、け」と言いました。

あの子はあの子でちょこんとお座りをして待っているのです。

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