結界の向こうに雑巾が一枚置いてある。「そこやったら、座ってええで。」おっちゃん指さして言う。
おいら雑巾に座らされて、じっとしとった。首掻こうしたら、足がはみ出した。
「アウト、それ、アウトや」
おいら、思わず足ひっこめたわ。そいだら、「そう、それでセーフ。」とか、わけわからんこと言うねん。
こんなこと一時もやってれば、わかってくるわな、いっくら猫の頭でもな。
ストーブのねきに雑巾置いてるの、おっちゃんの心根やて気づいた。なんせさぶ~い日やったから、助かった。ルールひとつ増えたけどな。
