河口をさかのぼる細い地道の行き止まりが喫茶店だ。
おばちゃんは、昭和のほとんどと平成の全部を生きてきた人なので、
カフェとは言わない。
壁の抽象画が気に入っている。
店のおねいさんが水を運んできて、
「いつもありがとうございます。」
と満面の笑顔で言う。
「ブレンドをマイルドでいいですか?」
おばちゃんも満面の笑顔で、
「いつもおいしいコーヒーを入れてくださって、
ありがとうございます。」
と言う。
お店の人もお客も対等なところが、令和にふさわしいとおいらは思う。