半島の猫 第二部 二話

半島の猫 第二部 二話

半島の猫 第二部 二話

子猫は階段の下まで来ると、少しちゅうちょしたように立ち留まりました。

そして、あらためて 最上段を見上げ、意を決したように一歩、一歩、

昇り始めました。

鳴き声がだんだん激しくなり、その鳴き声が、

「おっちゃん。」「おっちゃん」

と言っているように聞こえてきました。

踊り場から最上階に向かって、空を飛びあがるようにかけてきます。

この時、老人は、

「こりゃ、ひばりだな。名前は決まりだ。」

と思い、いつものこだわりを瞬間に貫通した快さを感じました。

「ひばりよくきたな。」

ひばりはデッキを潜って反対側に出ると、ぴょんと飛び昇りました。

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