諏訪田の爪切り

諏訪田の爪切り
諏訪田製作所 創業90年    新潟県三条市

この一本の爪切りに国内外の人々の関心が集まっています。全工程が職人の手作業で進められていきます。人々は、職人の技から生まれる芸術的なフォルムとその切れ味に魅了されるのでしょう。三条市では、鍛冶技術が代々伝えられてきました。作業工具、金属洋食器、刃物作りの工場が集まっています。

この地、三条諏訪田で究極の爪切りと評判の「諏訪田の爪切り」が生まれました。
実際に爪を切ってみると、パチンと爪が飛び散るようなことは決してありません。切り口は丸く、滑らかです。だから、ヤスリを使う必要がありません。諏訪田の爪切りが世界のネイリストに引っ張りだこになるのがわかるような気がしますね。

原材料は、炭素を多く含み、仕上がり硬く、刃の消耗も少ないステンレス刃物鋼です。職人の目にかなった鋼だけが選ばれ、伝統の技によって、鍛えられ、研磨されるのです。その工程の初めは、「鍛造」です。円柱棒状のステンレス刃物鋼を千度に熱し、四百tの力で叩いて鍛え、鋼の中心部三割だけを残し、爪切りの基を作ります。

次は、20の研磨、研削行程に進みます。回転する大型ヤスリは、荒いものから徐々に、細かいものへと移り、最後はスポンジの柔らかさで仕上げられます。三つ目の工程は、「合刃調整」です。左右の合わせ目に光を当てた時、光が一条とも通過しない密接度が求められます。職人は目と手先の感覚だけを頼りに両刃を削ります。ミクロンの世界で「合刃調整」は展開されます。

いよいよ、「刃付け」です。包丁、はさみなど、刃先にはそれぞれの用途に応じた切っ先の角度があります。爪切りに最適な角度を調整するという今までの工程で積み重ねられた技術が集大成される最終行程であり、究極の技が求められるのです。こうして嘘が存在しない、真っ正直な物作りの現場で、口どけの良い、凄い切れ味の諏訪田の爪切りが生まれ続けているのです。

 

諏訪田の爪切り

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